自分の恋愛傾向
久しぶりに恋愛をしている。
近年、恋人ごっこのような関係しか築いてこれなかったが、出会ってしまった。
彼氏というよりはパートナー。心の安定。
しかし女性として心にときめきもくれる。
この歳でも、バツイチでも、子持ちでも、まともな恋愛が出来たことに驚く。
出会って5ヶ月。
徐々に二人の絆も強くなり、お互い相手に慣れてくる。彼は私の守ってきた家庭の中へも入り込みたい様子。でも私はやや抵抗気味。
それが彼にとっては寂しさに繋がっていくのだと思う。
ふと思った。あぁ、私はいつもこうだ。恋人ができても距離感を保ち、これ以上入らせないバリアを自然と張っている。
ある程度恋愛が盛り上がり、相手から更に求められると拒んでしまう。例えば、息子に会いたいと言われると、とたんに鎮火する。
これが私の恋愛傾向。
だからここ数年は本気の恋愛を避けていたのかもしれない。
しかし今の恋人は残りの人生を共に生きていきたい人。きちんと話して待ってもらおうと思う。
シングルマザーは同じような気持ちになる人はきっといるだろう。早く再婚がしたい人は別だが、子供との関係性を重視すると二の足を踏むものだ。
私にももう一歩踏み出す時が来たのかもしれない。
春のにおい
最近あたたかくなってきた。
歩道の並木に目をやると 白木蓮の花がとても綺麗に咲いていた。春の雨で花が地面に落ちて濡れており、桜と同様に儚くて寂しい気持ちになる。
昔から春のにおいとゆうものが好きだ。
冷たかった空気が一気に生ぬるい空気に変わると なんだか心がわくわくしてくる。
春のにおいといっても 梅の香りが蒸気になっていると聞いた。どこか遠くで咲く梅の花から放たれているその香りは 特に雨の後は強く感じる。
春は出会いと別れの季節。私の今までの人生で重要な出来事は春から始まっていた。日本では仕事も学校も始業は殆どが4月なので、同じように感じている人はきっと多いだろう。嬉しいことも寂しいことも春が多かったので自然と過去の出来事を思い出す。
恋が始まるのも春が多かった。厳しい寒さで冬眠していた女が いとも簡単に乙女になってしまう不思議な季節だ。
現在恋はお休み中だけど、この季節の空気に触れると胸が勝手に高鳴ってしまう。そして自分がまだ女であるとゆうことに気付かされる。
春の生ぬるい夜の帰り道、昔の恋愛を思い出し胸がぎゅっと痛くなった。またそんな恋愛をする日が来るのか来ないのか。全く未知だけど、恋は突然始まるから楽しいのだと思う。
もう一度恋愛するなら やっぱり春に始まってほしい…。
どうにもならないこと
私は同性には好かれる方だ。
自分で言うのもおかしいが、人見知りをしないことや歯に絹着せぬ物言いが見た目とのギャップを起こすと自己分析している。
しかし、過去に初対面で理不尽な態度をされたことがある。その女性は私が結婚してパートをしていた頃の先輩で、私が入職してから実に半年もの間私を無視し続けた。
私はその頃アラサーで、今まで同性からそんな仕打ちをされたことが無かったため意味が分からなかった。
上司にも相談し、どうにかしていただかないと仕事にも支障が出ると伝えたが、上司は一言、
「○○さんが綺麗だからかな…」
とだけ言った。
そんなこと、どうしろとゆうのだ…
特別綺麗でもないのに…私は呆然とした。
初めましての挨拶の時から無視をされ、一度も目を合わそうとしなかったその先輩と仲良くなったのは何がきっかけだったか覚えていない。
しかし結婚していて子供もいる私が実は不幸せだったという事実が、働く中で徐々に浮き彫りになった頃だったと思う。
突然向こうから話しかけてくるようになり、いつの間にか仲の良い先輩後輩の関係になっていた。一体あの辛い半年間は何だったのだろうか。
後になり分かったことだが、私の面接をした上司が私に一目惚れをしたと他のスタッフに楽しそうに話していたそうだ。
それを聞いて合点が行った。無視の理由は絶対それだと思った。
こればっかりは自分にはどうにもならない。
見た目や肩書きだけじゃなく、自分とゆう人間を知ってもらうまで頑なに無視をし続ける人が存在することを私はアラサーになり初めて知った。
人間関係って難しい。
お弁当箱を洗う時
うちの子は毎日お弁当を持って行く。
作るのは私の仕事。
前の晩に明日のお弁当には何を入れよう…と考える。メインが決まっていてもサブのおかずがなかなか決まらないことがある。困った時は白ご飯をドドンとメインに変更し、うなぎを乗せたり焼き魚を乗せる。ほかにも、のり弁やおかか弁にすると飽きない。
子供が帰宅し、お弁当箱と水筒をキッチンへ持ってくる。
お弁当箱を洗うのは私の仕事。
洗う時に手にお弁当箱を持った瞬間、残しているか完食しているか判断できる。蓋を開け、ご飯粒一つ無く綺麗に完食している日はさすがに嬉しい。逆に白ご飯が少量とおかずも一口分程度残ってるいると、このあと少しが食べれないのか?と疑問に思ったりする。
お弁当を残す理由は子供にすれば色んな理由があるようだ。体育があると時間がない。昼休みは校庭で遊ぶから時間がない。そのおかず好きじゃない等…。
あと何年一緒に暮らせるのか分からないけれど、私が作る料理を子供が食べ、それが栄養となり子供の血となり肉となることで身体は成長するのだと考えると、親が子にしてやれる貴重な時期なのだと感じた。
夜にお弁当箱を開ける度に今日一日の子供のストーリーを勝手に想像し言葉の無いコミュニケーションをしているようで私は楽しい。
毎日素朴なお弁当しか作らないけど、毎日ちゃんと食べてくれてありがとう。心の中でつぶやいた。
ないないない…
先日母に言われた。
「再婚するつもりはないの?」
思わず、はぁ〜?!と叫んでしまった。なぜなら、母の言う再婚とはただの再婚ではなく、元夫ともう一度結婚するつもりはないのか?という質問だったから。
バツイチになって6年目。前の結婚生活で苦労し、子供が大きかったこともあり自分の中では再婚なんて意識をしないようにしてきた。
それなりに恋愛もしたが、やっぱり一人が気楽でいいやという結論に達してしまう。
昨年から子供の事で元夫とは電話やLINEでやり取りするようになり、それを母にも話していた。そして、子供は今でも父親のことが好きである。母からすると、色々あった元夫婦だからもう一度ヨリを戻すこともアリなのでは?と言いたかったようだ。
年老いてきた親にいつまでも心配かけて情けないなぁと思う。でも、又あの男と結婚するなんて、ないないない…!
いや待てよ、なんだかんだでお互いの一番の理解者だったりするのかも…
元夫は共に子育てをしてきた同志である。今でも不満は尽きないが、やっぱり元家族であり憎めない。
奴との将来…うーん、やっぱりナイな、当分は、と思うのだった。
頼れない性格
病気をした時、通院の付き添いと診察に姉が同席してくれた。普段は一人で通院していたが、今回は少し回復が長引いてしまい母や姉に心配をかけていた。
この歳になると、結婚していたら夫が付き添うのかもしれない。しかし私には夫がいない。私の中ではそれは当然の事で、自分の身に何が起ころうとも自分で解決していくしかないのだと決めていた。
母や姉からすると全て一人で淡々とこなす私の姿が不憫に映ったのだろう。弱った時ぐらい誰かに頼ればいいのにと思ったに違いない。
主治医の病状説明の帰りに姉から、
「頼ってくれて嬉しかった。○○ちゃんは昔から誰にも頼ることしないから。」
と言われた。
私は、遠いところからわざわざ電車を乗り継いで仕事の休日を使って病院へ来てくれた姉の事が申し訳なくて、なんだかお腹の中がムズムズしていた。でも、頼ってくれて嬉しいと言われて、「あぁ、頼ってもいいんだぁ」「弱いところを見せてもいいんだぁ」と思えるようになった。
いい歳して周りに心配をかけている自分が情けなくて、やるせない思いをぶつける場所もなく、なるべく普段通りで人と接するようにしてきたが、頑張らなくてもいい時だってあることを知った。
これからもっと歳を重ねるにつれて、一人で出来る事に少しずつ限界がやってくるのだろ。誰かに上手く頼ることも生き抜く力として身につけなくてはいけない。今よりほんの少しでも自分に甘くズルく生きていけたらなぁと思う。
消えない思い出
この前車で移動中に懐かしい場所を通りかかった。元夫と付き合い始めた時に彼が住んでいた街。そしてそれから十数年後、離婚後に付き合っていた元彼も住んでいた街。
元彼から住んでいる場所を聞いた時は少しドキっとした。心のなかで、昔のあそこはよく知ってるよとつぶやいた。
元夫のマンションにはよく通った。当時私は若くパワーもあったので時間をみつけては合鍵を使い、買い物をして料理や掃除をした。一年もしないうちに元夫が転勤になりその街へ行くことはなくなった。
それから十数年後にまた通うことになるなんて。駅まで迎えに来てもらい、初めて元彼のマンションへ2人で歩いている時はやけに一人キョロキョロしてしまった。あの店まだあるのかな、うわぁ、あの頃よりお店増えてるなとか、心の中で叫んでいた。
元彼のマンションへ何度か通ったがお互い仕事が忙しく、いつしか会う約束をしなくなってしまった。電話やLINEのやり取りは毎日していたけれど、元彼が長めの出張中に突然音信不通になってしまった。
仕事が大変な時期だということは理解していた。落ち着いたら連絡するねと言った彼の言葉を信じていたのに、落ち着いた時には彼にとって私はもうエネルギーを注ぐに値しない存在になっていた。「また会おうね」と言われた数ヶ月前の言葉だけを頼りに生きていた私は、彼が別れ話を避けるために言ったんだとやっと気付いた。
元彼との最後のデートからもう一年半が経とうとしている。それなのに今でも一緒にドライブした事や一緒に食べたご飯、部屋で二人ゴロゴロ過ごしたことが鮮明に思い出される。
ちゃんと終わらせていない恋愛だからか。自分で無理矢理終わったと思い込み、日々忘却していくことを心待ちにして生きていても思い出は消えてくれない。あれは夢だったのかもしれないと思うほど。
いまだに街で彼に似ている人を見ると目で追ってしまう情けない私である。アーメン…